喜界町ファームステイ受け入れ先インタビュー
あんまり喋らない子が、帰るころには、
俺にツッコミを入れるようになるぐらい変わっていく。
受け入れ先名 | 玉岡さん |
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業務内容 | サトウキビ・唐辛子の生産 |
備考 | 喜界町で一番最初にファームステイを受け入れしてくれた農家さん。 |
リンク | 「キビは生きるため。」50年に1度の雨を2度経験した農家を支えるものとは?(NIPPON TABERU TIMES) |
生まれてから、ずーっと喜界島ですか?
高校卒業後、専門学校に行くために、島を出て大阪に約13年いた。今から21年前に86歳の父親が島に帰ってこいということで、帰ってきた。
純粋な島人。
ご夫婦の出会いは?
高校の同級生で、嫁さんは東京の方に就職しとった。俺は大阪。遠距離恋愛しとった。付き合いは、成人式で会ってからかな。嫁さんの方が俺にベタ惚れで。。。フハハハ
普段から、楽しみにしていることは何かありますか?
お酒は好き。もちろん仕事に支障はない飲み方よ。
この家は、飲み会が多い。近所の先輩やら、同級生やら。だから焼酎瓶がすぐ空く。
栽培している作物は何ですか?
唐辛子を3月に植え付けをして夏場に収穫し、冬はキビ(サトウキビ)の刈り取り。
キビは、植え付ける時期が8月とか、9月(夏植え)にしたら、収穫するまで約1年半かかるので、今の時期に春植えをしないと収入が上がってこない。
時期がとても大事で、そういうのは常に心がけてます。
農家滞在受け入れ先に登録・参加しようと思ったきっかけを教えてください。
きっかけは、お手伝いしてもらっている栗野さんが鹿児島に戻ったことで、人手不足だったこともあるし、息子が結婚して、家を出て、夫婦2人になったから、なんかちょっと他の人とも喋りたいなぁーと思って。寂しい部分もあったし、ちょうどその時に、喜界島ファームステイプロジェクトの話が出たから、最初は嫁さんには黙ってたんだけど、やってみようかなーって、こっそり担当者さんにOK出して。ハハハ!
その後、嫁さんにはこれしたいんだけどって言って。しぶしぶOKしてもらった。でも今は嫁さんも楽しんでる。
いつから、ファームステイの受入れをしているのですか?
喜界島ファームステイブロジェクトが始まったのが、去年の6月(平成29年6月)からなんで、受け入れは7月末からですね。その一発目を玉岡さんの家にお願いしました。それ以降は、ほぼ受け入れしてもらってます。
受け入れする前は、男の子が来るんじゃろって感覚でいたけど、実際には女の子ばっかり。女の子は行動力が高いっちゅうか、ボランティアとか、こういう活動しようっていうのは、女性が多いですね。
嫁さんと一緒にご飯作ったり、洗濯物もたたんでくれたりとか、うちには娘がいないから、嫁さんと2人で台所に立ってたら、それもあーーー、いいなって。思った。
実際に受け入れしてみて、気づいたこと、感じたことを教えてください。
9月・2月に来たひなこちゃんはね、前にここに来た時、この辺のおじちゃんらと飲み会やら、農作業やら、一緒に付き合いしたことで、自宅に帰った時、それまでお父さんとあんまり会話もしていなかったのに、普通にお父さんと会話して一緒にお酒飲んで、仲良くなったって話を聞いて、あー良かったなと思ったよ。
やっぱり、ここ(喜界島)に来て、ちょっとずつ変わったような気がするよ。内気だった子もだいぶ話すようになったし、あんまり喋らない子が、帰るころには、俺に色々、ツッコミを入れるようになるぐらい変わっていく。
たぶん、自然に、作業しながら皆と触れ合ったり、島の子を呼んで、一緒に飲んだりすることで変わっていくんですよね。
なんか、玉岡家の晩餐はちょっと特殊で、心を開くことができる雰囲気があるんですよね。きっと島の魅力のひとつだと思う。
受け入れをするようになって、とても楽しいですよ。色々な性格の子がいて、自分の子どもと一緒だと思います。
うちは女の子の受け入ればっかりですが、女の子は家事の手伝いをしてくれるし、楽しい。よう動く。うちは息子と主人が全然役立たずだったので、家事がとっても楽です。(笑
あと、島での体験が終わってからもLINEくれたり、年賀状を送ってくれたりすると、やっぱり嬉しいですね。
ある時は、空港まで送った時に手紙を渡されて、もう帰りの車の中で2人とも泣きそうだった。
【体験の様子を紹介】
普段は、朝の8時から5時までは農作業(夏は唐辛子、冬がサトウキビ)。その後は、自宅に帰って嫁さんの料理の手伝いをするようにしている。雨が降った時は、集落行事に参加してもらってます。集落の敬老会とかに参加してもらっているから、もうみんな自然と顔は知っているし、集落の人も溶け込みやすい環境を作ってくれてる。そういう意味では本当、ありがたい。
ただ、観光に来ただけじゃ、集落の行事に参加したりすることは出来ないですよね。
《取材こぼれ話》道端のヤギ
私たち取材スタッフが玉岡さんの家に向かう途中、車で走っていると、道路を横断しているヤギ数頭に出会った。玉岡さんにそのことを話すと、海岸線やろ、◯◯さんとこのや。よう脱走するっちゃない。 一応柵はあるんだけど、どっか柵の隙間から出るんじゃない。家主がエサを持ってくると、また戻ってくるんだけど、まだエサを持ってこないから、外に食べに歩いてるのかもね。逃げはしないよ。